コンサータはADHDを救う?3年間36mgを服用した効果と現在

薬

大人のADHDの治療法には『心理社会的治療』『薬物療法』があります。

それぞれ症状に対する効果が異なるので同時に取り組むケースが多いですが、『薬物治療』は薬が合えば飛躍的にパフォーマンスが上がるのが特徴です。

今回は、3年前からコンサータを服用している私が、「3年間の服用の流れ(薬の変更・増薬など)」「効果」について詳しくご説明します。また、「今後の薬との付き合い方」についても触れますよ。

今コンサータを飲み始めたばかりの方や、今後服用を検討中の方の参考になれば嬉しいです。

ADHDと薬物治療

薬物治療で脳内伝達物質の不足を補う

ADHDは「脳の機能障害」と言われていますが、『前頭前野』と『腹側線条体』の2箇所の働きが普通の人に比べ低いのが原因です。

  • 前頭前野…「脳の司令塔」と言われており、低下すると感情のコントロールやワーキングメモリの減少に繋がります。集中力が低いのも前頭前野の働きが低いからです。
  • 腹側線条体…衝動を抑制する機能を持っており、働きが低下するとやらなければいけないことがあるのに目先の誘惑に負けてしまいます。

ADHDの治療に使用される薬は「前頭前野」の働きを助ける脳内伝達物質「ノルアドレナリン」「ドーパミン」の量を増やす効果があるのです。(薬の作用は種類によって違う)この2つは脳にある注意システムを制御しているため、結果として集中力が高くなります。

 ADHDの治療に使われる薬の種類と特徴

ADHDの治療に使われる薬は現在3種類ありますが、それぞれ脳への作用の仕方が異なるため、薬の持続期間や効き具合が異なります。
※今は「コンサータ」「ストラテラ」の2種類ですが、今年「インチュニブ」も成人適応追加申請されました。(まだ申請中ですが、成人への効果が実際に確認されています)

塩野義 ADHD薬インチュニブ錠、成人適応追加で承認申請

コンサータ(メチルフェニデート製剤)

コンサータ

はっきり効き目があるコンサータ
コンサータはメチルフェニデート塩酸塩の徐放(服用後、薬物が徐々に放出されるよう作られている)錠で中枢刺神経を刺激します。3つの中では服用後すぐに効果があると言われています。また、ADHDの症状である『不注意』『多動』『衝動性』の全てを改善し、効き目が強いという特徴も。
ただし、効果が強い分副作用や依存性が高いと言われており、寝つきが悪くなるため午後からの服用は控えます。そのほかにも食欲不振などが挙げられます。

POINT脳内のドーパミンとノルアドレナリンの働きを強める
1日1回の服用で薬10〜12時間効果が持続する
1日に服用可能な最大量:72㎎

ストラテラ(アトモキセチン製剤)

ストラテラ

マイルドな効き目のストラテラ
ストラテラは中枢刺激薬ではないため、コンサータほどはっきり効果を感じられないケースが多いです。コンサータはドーパミンの濃度を高める効果を持っているのに対し、ストラテラは主にノルアドレナリンの濃度を高めます。ストラテラもADHDの全ての症状を改善しますが、効き目を感じるまでに時間がかかる(数週間)ことや、効き始めてからも「はっきり効いている」という感覚はないようです。しかし、コンサータに比べ依存性や耐性がない点はメリットと言えるでしょう。

POINT脳内のノルアドレナリンの働きを強める
効果を感じるまでは数週間かかり、その後もマイルドな効き目
依存性や耐性がない
1日に服用可能な最大量:120㎎

(インチュニブ(グアンファシン製剤))

インチュニブ

衝動性・多動性に有効なインチュニブ
今年成人適用申請されたインチュニブは、ADHDの第3の薬と言われています。ADHDの症状のうち、『多動性』『衝動性』の改善が期待できる薬です。(不注意にはあまり効果を感じないそう)グアンファシンという成分はもともと高血圧に使われていたもので、交感神経の働きを抑えて神経の緊張を取る働きもあります。

POINT鎮静効果があり、『多動』『衝動性』に効果がある
交感神経の働きを抑え、神経の緊張を取る
効果を感じるまで1〜2週間
1日に服用可能な最大量:ー

※薬の効き目は個人差が大きく、ストラテラでも「効き目が強い」と感じる人もいれば、コンサータを飲んでも「あまり変わらない」という人もいるようです

コンサータ服用 3年間の流れ

医者

コンサータを服用するに至った経緯ですが、私は鬱の治療中に『ADHD』という発達障害があることを知り、問診のみでADHDの診断を受けました。(発達障害の診断基準に使われる「WAIS-Ⅲ」は受けていません)他の方がどのようなルートで薬物療法を始めるのかはわかりませんが、参考までに書いておきます。

ここからは、私がADHDの薬物治療を始めてからのエピソードを書いていきます。
※3年間の記録をきっちりとっていたわけではないのでうろ覚えな部分があります。すみません。(増薬時期などはお薬手帳を確認しているので正しい情報です)

コンサータとストラテラを同時に服用

大学3年の当時、鬱はほぼ治っていたもののADHDの症状からまともな学校生活をおくれていませんでした。しかし就活の準備を始める時期に差し掛かっていたので、「このままでは就活に支障が出る」「もし内定をもらえても卒業できるのか?」ととても不安でした。

担当医にその状況を伝えると、「ストラテラは効き目がわかるまでに時間がかかるから、効果が強いコンサータも一緒に飲んで経過を見よう」と言われ、「ストラテラ40mg」と「コンサータ18mg」を同時服用することなったのです。

しかし、同時服用の刺激が強すぎたのか、副作用がひどかった。私が特に強く感じたのは、

  • 吐き気
  • 手足のしびれ
  • 動機

の3つでした。
特に動機と吐き気がひどく、薬が効き始めるお昼頃になるとお昼ご飯を食べたくても気持ち悪くて食べられない、といった感じでした。また、動悸はなかなか治らず「いつになったら落ち着くの?」と不安な気持ちが強かったのを覚えています。
そんなわけで私は一週間も経たないうちに再度病院へ行くことに。

担当医に副作用を説明しましたが、どちらが原因かはわからなかったものの(両方の可能性もある)、状況的に「コンサータ」の方が必要、と判断されました。(就活が本格化するまでに効果を得たい)
そして、コンサータ18㎎のみの服用を続けることになったのです。

※一般的に、ストラテラとコンサータを同時服用することはあまりないそうです

レベル1:コンサータ18mg

18mgの服用期間:1ヶ月

効果:あまり感じない

即効性のあるコンサータですが、18㎎では特に何も変化は感じられませんでした。
ネットで効果を感じた人たちの感想を見ていた私は「えー…あんまり変わんないけど」とちょっとガッカリ。

副作用:動悸・吐き気

効果がない割に副作用はあったのが辛かったです。
体が薬に慣れるまで2週間ほどは副作用がありました

レベル2:コンサータ36mg

36mgの服用期間:2ヶ月目〜現在(約3年)

効果:はっきりと感じる

18mgであまり効果を感じなかったことから、36mgに増薬することに。
その結果、18mgでは全く感じなかった効果を感じるようになりました。

  • 眠気がなくなった←これが一番効果が強かった
  • 集中力アップ
  • 段取りを考えて動ける

36mgで初めて効果を感じた私は、「こういうことだったのか!」と、とても嬉しかったのを覚えています。ADHDの人がよく言う、「脳のザワザワした感じ」がなくなり、机に座って1つのことを考えられるようになったのです。これには就活中、エントリーシートを書く時とても助けられました。

1つの物事をきちんと考えられるようになったので、学校の課題で問題点を探し解決策を考える、などのプロセスもそれまでよりスムーズにこなせることが多くなりました。

集中力が上がったことも大きな変化でしたが、一番効果を感じたのはひどい眠気が治ったことです。それまでの私は慢性的に眠い状態のことが多く、ひどい時は歩いていたり自転車に乗っている時も寝そうになるほどでした。また、高校で吹奏楽部に所属していた時は自分のパート以外が演奏している間に寝ることも…もっと早く飲みたかったです。

他にも、家事をする時に「洗濯をしている間にここを掃除して…」と、段取りを考えて動けるようになったのも薬のおかげだと思います。

副作用:動悸・吐き気・離脱症状

36mgに増やしてすぐは、落ち着いていた副作用また現れるようになりました。量が増えたから当然ですが。
しかし、18mgの時も時間が経つと治っていったことや増薬して効果をはっきり感じるようになったことで最初より不安は感じませんでした。36mgに増やした時も、しばらくすると副作用はなくなりました。

ちなみに、今でも体調が優れない時は副作用を感じることがあります

レベル3:コンサータ54mg

服用期間:1週間

54㎎に増やしたのは増やさなければいけない理由があったからです。
就職してからもADHDの症状に悩まされていた私は(不注意・物忘れ)、1年経っても「真面目だけどどこか抜けている人」「仕事を任せきれない人」と思われていたようです。

煩雑な職場環境で同時進行しなければならないことも多かったため、そもそも私には無理があったのだと思いますが…。薬を増やせばもう少し対処できるようになるのでは、と考え医師に相談の上54mgを試してみることにしました。
※既に思いつく限りの仕事上の工夫は行なっていました

効果:36mgとそれほど変わらない

18mgから36mgに変わった時はかなり違いを感じたので期待していたのですが、残念ながらほとんど効果は感じられませんでした。集中力にしても、「脳が覚醒している」と言うより「脳がアツい」と言った感じでした。

副作用:動機・吐き気

私がコンサータを服用して感じる副作用はだいたいこの2つです。あと、他にも耳鼻科の薬を飲んでいるのでそれも関係しているのかもしれませんが『口が乾く』症状もひどい時があります。(ただ水分を摂取していない場合も)

コンサータを飲んでいても変わらないこと

コンサータはADHDの3つの症状『不注意』『衝動性』『多動』全てに効果を感じるようですが、私には効いていないな、と感じる部分もあります。万能薬ではないですからね。

衝動性

私は衝動性・多動が結構強いタイプで、コンサータを飲んでいても衝動性は治っていないと思います。

  • 何か作業を始めるとご飯も食べずに朝から番まで続けてしまう(過集中)
  • 衝動買いが多い・金遣いが荒い
  • 今しなくてもいいことをやりたくてしょうがなくなる

就活中も、企業説明会に参加するため地元に帰ってきたのに、時間があるからクッキングスタジオに行こうとしたことも…(母に止められました)。

 

しかし、薬の量が適量なのであれば、あとは心理療法や行動療法で対応するしかないのでしょう。
『衝動性を自己コントロールできるようになること』が当面の目標です。

お金の管理については改善しつつあります。

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2018年10月10日

先延ばし

先延ばしもひどい。薬のおかげで段取りよく物事に取り組めるようにはなりましたが、そもそも取り組む前の段階で止まっちゃいます。

  • 公共料金の支払いが遅れる
  • 時計の修理など依頼して見積もりを出してもらったのに返事しない
  • 予約しなければいけないのに電話しない(電話が嫌い)

退職した時も、健康保険を継続するか国保に切り替えるか期限があるにも関わらず先延ばしにしてしまいました。(忘れているわけではなくて、やりたくない)
また、卒業制作も作業を先延ばしにしまくった挙句、本来展示される予定だったのに私の作品だけ展示されない、という事件がありました。本当卒業させてもらえて感謝してます…。

私の場合、他の作業に集中していて切り替えられず、結果先延ばしにするということが多いです。(衝動性×先延ばし?)

最近の変化

矢印

効き目が薄いことがある

退職してから、薬を飲んでいるにも関わらず眠くなることが少し増えました。「耐性がついて効きが悪くなってきたのかな?」と思った私は医師に聞いてみたところ「脳がオフモードになっていると効果を感じにくくなる場合がある」んだとか。

今までも睡眠不足だったり疲れていたりすると効果が弱いことがありましたが、環境によっても効き目が変わることは初めて知りました。

POINT【効果を感じにくい時】

  • 睡眠不足
  • 疲れが溜まっている
  • 環境の変化(それまでより楽な環境になる)

※私の今までの経験です

今後どうするのか

薬は増やさない。薬以外の対策を強化する

薬が効きにくいのはその時のコンディションや環境の変化など、「耐性がつく」以外の理由も考えられます。

これまでは「薬ありき」の生活だったので、効果が弱いと感じると「増やしたほうがいいんじゃないか」と考えていました。しかし、私の場合36mgから一時的に54mgに増薬しましたがあまり効果を感じなかったので、今後も薬の量を増やすことは考えていません。

今後はコンサータで補いきれない部分は『心理療法』や『行動療法』を試してみるなど、他の対策をすることで補っていきたいと思います。

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2018年11月8日

まとめ:効き目には個人差がある。薬以外で補う方法も

女の子

今回は、私がコンサータを服用してきた3年間の効果などについてまとめました。

コンサータは依存性が高い薬なので、服用し続けると「飲まないと不安」といった感情を持つ可能性が高いです。実際私も、大事な用事がある日に飲み忘れると「終わった…」と思いますし、今急に薬が飲めなくなるような状況になればパニックを起こすでしょう。

コンサータは効き目が強い分、依存性や副作用が高いと言うリスクも知っておいたほうがいいと思います。
なるべく薬に頼らず症状を軽くでればいいですね!

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ABOUTこの記事をかいた人

るるん

20代後半・女性のADHDフリーランサー(デザイン/ライター)。 大学時代、二次障害の鬱をきっかけに発覚、それからは「ADHD女性の生き方」を模索し続けています。 発達障害の特徴や働き方に関する内容から、恋愛・ファッション・趣味など女性ならではのテーマまで、幅広く扱っています。 「読んでいて楽しい記事」を書くのが目標です!